庭に猫が住み着いている

野良猫が一年以上前から庭に住み着いている。
来た当時はまだ産毛が残る子猫だった。
そしてその時には2匹だった。
我が家は賃貸なので飼うことが出来ず、批判の対象にはなるだろうが耐え切れず餌を与えた。
多分この2匹は兄弟なのだろう、毛並みが良く似ていたし何よりいつも一緒に行動していた。
冬を前に、1匹が風邪を引いた。
くしゃみをしているのを見たが、どうにもしてやれずただそのまま暮らした。
そしてある日、その1匹がぴたりと姿を現さなくなった。
事故にでもあったのか、あるいは風邪が悪化したのか、その日は早朝から近所を探し回ったが結局見つかることは無かった。
残された1匹は兄弟を無くした寂しさから急に声をあげて鳴くようになった。
ちなみにその名残は今も充分にあり、帰宅する私を見つけると嬉しそうに声を上げて近づいてくる。
そして現在。冬。
今日は雪が降っている。風も強い。
窓越しに猫を探したがここらにはいないらしい。
どこか温かい場所を見つけているのだろうか。
ふと一年前いなくなったもう1匹の事を思い出して不安になる。
寒さで風邪などひいているのではなかろうか、そうでなくてもこんなに寒い日に辛くはないだろうか。
飼えもしない私が言えた口では無いのは充分に理解しているが、心の中のモヤモヤは消えてくれない。